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欲望のTOWALY > 山口聡 > 新銀行東京

今日は最近ニュースでよく見る新銀行東京について書いてみたいと思います。
 新銀行東京は2003年石原慎太郎東京都知事が策定した「東京発金融改革」を元「資金調達に悩む中小企業を救済すること」を理念として2005年に設立されました。2003年当時は大手銀行も多量の不良債権を抱え新規融資が厳しい状況であったため目的自体はよかったのですが、2005年になると不良債権処理も進み融資も受けやすくなっていたためその存在意義自体があったのかどうか疑問が残ることとなったのです。設立にあたっては日本での事業見直しを行っていたBNPパリバからBNPパリバ信託銀行を買収する形で東京都が一千億円を出資、民間企業も出資し資本金・資本準備金計1187億円で成立しました。そのため区分上では信託銀行となっています。
 設立から二年経過した2007年11月30日の決算では累積赤字が936億円にも達し、経営再建のため東京都が400億円を出資することが検討されている。このような多額の赤字が計上されるようになった原因として旧経営陣の融資拡大路線が挙げられています。それは融資拡大を優先し企業の審査が甘くなっていたことや、無担保無保証融資が多かったことなどにつながり、結果として多額の不良債権を抱えることとなったのです。結果として無担保無保証の紙上審査による貸し出しというビジネスモデルそのものが破綻しているといわざるを得ず、都も原則廃止とすることを決定しましたがならばこそ余計にその存在意義について疑問を呈さずにもいられません。
 東京都が定めた「中小企業救済」という御旗を掲げて設立された銀行ではおそらく皆困ったときには東京都が助けてくれると期待し、収益を上げることではなく「中小企業救済」という目的を見せ掛けだけでも果たすことに全力が向けられ、その方法としてとにかく多くの企業に融資するという手法がとられたのではないかと思います。様々な場面で言えることですが、国や地方自治体という権力による出資と社会のためという御旗を持って始められた事業は効率性が軽視され見せ掛け上目的を果たしているようにしてただ徒に税金を浪費して終わるだけのことが多い気がします。そこにあるのが官民の癒着であるとか、政治化の力であるとかいろいろいわれますが、結局のところ権力を背景にした人間の行いというのは怠惰な面が出てきてしまうものなのだと思います。効率を追求する経済活動と官公庁の活動は相容れないものであり、国や地方自治体による事業活動はそもそもあまり好ましいものではないと私は思います。




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